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一般財団法人自衛隊援護協会は、定年あるいは任期満了により退職される隊員の皆様が、より良い企業により良い条件での再就職が叶うよう各部隊援護担当者とともに、種々の就職援護を行っております。是非とも私たち自衛隊援護協会を最大限活用し、再就職が達成されることを願ってやみません。
再就職ともなると、誰もが不安に陥るものです。しかしご心配は要りません。一般財団法人自衛隊援護協会では今までの経験に基づき、皆様の生活設計や職業適性及び再就職先等に関するご相談を最後まで無料でお受けいたしております。
ご相談のご案内
一般財団法人自衛隊援護協会の発行する図書では、自衛官の立場に立った一般社会への適応方法や、自衛官ならではの経験を生かした就職活動の方法を詳しく解説しています。サンプルをご覧になり是非、再就職活動にお役立てください。
書籍のご案内
就職を目指しているのは自衛官だけではありません。世の中のライバルに差をつけるためにも、通信教育講座でスキルアップを図りましょう。自衛官のみなさま限定の提携価格となっておりますのでリーズナブルに資格取得が目指せます。
通信教育講座のご案内

「光る知識と経験で、お客様へ貢献」

ライジング厚生サービス株式会社

代表取締役社長 阿部 総一

退職自衛官の皆様の再就職先企業として、寄稿の機会をいただき誠に光栄に存じます。

弊社は1986年(昭和61年)に住友銀行(現三井住友銀行)の給食業務受託会社として発足いたしました。以後、三井住友銀行をはじめとする多くのお客様のご支援により、「福利厚生」の分野で業務を展開して参りました。

主な事業内容は、委託元企業の保有する福利厚生施設(独身寮、単身寮、会食・宿泊施設、事業所食堂等)の運営管理・衛生管理の他、直営コンビニエンスストアの運営等、お陰様で多岐に亘っております。

現在、100名を超える退職自衛官の方々が、全国に40弱ある銀行独身寮や福利厚生施設(会食・宿泊施設)において施設管理者として施設管理業務に従事されています。

施設管理業務は、施設の維持・管理、防犯・防火・防災対応、施設内外環境整備、荷物の受渡し等、広範囲に亘ります。独身寮においては、寮生との朝の挨拶や見送り・送り出しに始まり、寮生ファーストの姿勢と節度ある対応で信頼関係を築いていただいています。委託元の会食・宿泊施設においては、堅実な仕事振りと折り目正しい接客でお客様への「安全・安心」の提供の一翼を担っていただいています。その一端を紹介します。

施設管理者の皆さんは、自衛隊で培った知識や経験を存分に発揮し様々な場面でご活躍されています。

とある独身寮のボイラーが故障した際、委託元企業から専門業者に修理を依頼したのですが機械の取替が必要とのことで、見積もりでは2百万円との事でした。ところが施設管理者が故障原因部品を特定し、なんとその部品交換だけの実費2千円で修理完了。機能・安全性に問題なしとなりました。

また、直近では予想だにしなかった新型コロナウィルス感染拡大により生活様式・環境が激変する中、献身的な行動に心から感謝し、そして誇りに思っております。

コロナ禍当初、アクリル板など入手困難な時期に、手元の汎用資材で「間仕切り」を極めて完成度の高い貌で作成して下さいました。市販のアクリル板を購入できるようになるまでの半年から1年弱、本社・独身寮等の事務室や自社食堂で使用させていただきました。夫々の共用部分(食堂・ロビー・階段・エレベーターホール・エレベーター・通路 他)の小まめな消毒作業も日常業務に組み入れていただいています。独身寮生で体調不良者が発生した場合や殊にPCR検査で陽性となった場合は、例え軽症であっても他者との接触が困難となる訳ですが、施設管理者の皆さんは直ぐに該当寮生の部屋前に専用授受台を設置し、配膳用の使い捨てトレイも考案・準備する等、細心の注意の下で接触することなく飲料水の配布、毎食事の届けと状況確認、ゴミの回収・廃棄等を積極的に行っていただいています。

従事する施設管理者から「コロナ禍でもあり、いつ異常事態が発生するか分からないので常に緊張感はあるものの、ちょっとした声かけや所作で寮生達が笑顔になってくれた時や『ありがとう』と言って貰えた時には充実感を感じます。」との声が寄せられています。

福利厚生サービスの提供を行っている弊社は、アクセス手段は様々ですが「人が集まる場所・会社」であることを目指しています。

今後も施設管理者の皆さんと共に、事業の基本方針である「『安全・安心』と『(福利厚生施設としての)ホスピタリティ』の提供」を高い次元で維持・発展させ、「温かい、人の集まる会社」の実現に努めて参ります。

引き続き、皆様のご支援とご協力をお願いいたします。

機関紙「えんご」第138号(令和4年7月1日発刊)掲載

再就職後の最大の難関「人間関係」

株式会社にしけい

広報室長  壇 雅昭

「お届けできて良かった!」昨年1月1日に発刊された機関紙「えんご」に、再就職へのアドバイス、「①再就職先を調整する際の基本的姿勢」、「②再就職に向けての基本的考え方」、「③再就職先での当初の心構え」の3点について民間企業の実態と私の実体験を踏まえた記事が掲載され、予想以上に反響が大きく、自衛隊OB、現職を問わず、多くの方から貴重な御意見をいただきました。今回、前回に引き続いて再就職に関するアドバイスを寄稿する機会をいただき、再び私の心の声をお伝えできることに喜びを感じるとともに、感謝の気持ちで一杯です。今回は、元自衛官が早期離職する最大の理由とも考えられる「再就職後の人間関係」について、私なりの考え方をお伝えさせていただきます。

昨年の記事において、私は次のように記載しました。「自衛隊幹部は2~3年タームでの異動が常態であるため、最初からフルスロットルで飛ばそうとします。その経験と感覚に基づき、再就職先において人間関係ができていないにも関わらず、拙速に自らの立ち位置を固めようと焦る者が多いのも事実です。これでは、絶対に周囲からの信頼は勝ちとることはできないし、その後の勤務において、不平・不満の日々を送る方もいると思います。まずは周囲との人間関係を構築し、必要な信頼と信用をゆっくりと着実に得ていくことが、少なくとも入社当初の1年間において、必要不可欠であることを忘れないで下さい。」

しかし、民間企業における人間関係の構築については「言うは易く行うは難し」であり、自衛隊の考え方をそのまま当初の勤務に持ち込むと、嫌な思いをするばかりか、その後の勤務に大きな影響を与えることがあります。よって、再就職に際して、事前に民間企業の人間関係の実態を知る事、特に、自衛隊と民間企業の根本的な違いから生じる人間関係の差異について理解することが再就職先における良好な人間関係の構築に繋がるものだと考えています。言い換えれば、再就職先において、自衛官が人間関係で悩み、最悪のケースは早期退職に至ってしまう主たる理由は、自衛隊と民間企業の組織上の違いからくる人間関係の差異について理解していないことにあるとも言えるのです。この違いに関する事前知識を持たないで再就職し、当初の段階から自衛隊と同じ考え方で社員に接すると、社内の人間関係で苦しむことになると思います。

まずは自衛隊の組織ですが、自衛隊は組織で仕事をします。個人では自衛隊の任務である防衛出動時も災害派遣時も任務は遂行できません。そのため、日々の訓練はもちろんのこと、服務指導と称して隊員個人の私的側面まで可能な範囲で関与し、組織として任務が遂行できるような団結・規律・士気に秀でたチームワークを重視します。隊員一人ひとりも、「自分が属している組織のため」、つまり「おらが中隊のため、おらが連隊のため」という強い意識を持って、日々の業務に当たります。

今考えても、自衛隊は類稀な素晴らしい組織だと思います。他方、民間組織は、各個人が与えられた仕事を行い、個人ごとに成果を出して、会社全体の利益に繋げます。社員個人においては、「自分が所属する部署のため」という強い意識を持って仕事にあたる者はあまりいないと思います。皆さんが自衛隊時代と同じような言葉を発したら、周囲から怪訝な顔をされるかもしれません。更に、周囲の者に対して、自衛隊のように一歩踏み込んだ人間的繋がりを求めることは、職場においてはあまり見受けられません。それは組織の特性上、優先度が低いからです。学生時代のクラブ活動の延長線上にあるような人間的繋がりを大切にする自衛隊組織とは異なり、民間企業における人間関係は、表面上ドライであり、仕事に必要なコミュニケーションさえあれば十分だと考える者も少なくありません。職場内において、 一歩踏み込んだ人間関係の構築に意を払う者は少ないと思います。よって、退職自衛官が再就職直後から、周囲との人間関係を最優先に行動しても思い通りにならず、悩む方が多いのも事実です。

極端かつ乱暴な言い方をお許しいただければ、民間企業においては個人として仕事ができる人が信頼され、まずはその実績があってこそ、人間的に素晴らしい人がより一層信用されるのです。自衛官が再就職直後から、仕事の中身を理解していない、周囲からの信頼を得ていないにも関わらず、再就職直後から自衛官の頃のように、周囲に配慮し、常に声がけをし、人間的信頼を勝ち取ることを最優先にしようと日々行動しても、たぶん周囲からの理解は得られないでしょう。民間の社員は、組織の団結の強化・規律の維持・士気の高揚といったものに時間を費やすことなく、自分に与えられた仕事で成果を出し、組織に還元することを目的に日々自分の時間と労力を使い、ストレスフルの中、頑張っているのです。もちろん、民間企業においても、職場の人間関係で悩む人が多いのも事実です。

よって、前回の記事においてもお伝えしたように、入社後はまず日々できることを一つでも良いから着実に行い、新入社員として「なんでもやります」との意識を持って、周囲からの仕事上の信頼を少しずつ得ていくことが最優先事項であると考えます。最初は、黒子の如く、影の如く、出来るところからやれば良いのです。その積み重ねで、周囲からの信頼を得ていけば、次第に人間関係ができてきて、いろいろと頼りにされることは間違いありません。皆さんであれば必ず信用され、自衛官の業務遂行能力の高さのみならず、人間的な素晴らしさも理解してもらえ、結果的に充実した第二の企業人生を送れるものと確信しています。自衛隊勤務を全うした後の皆さんなら大丈夫です。

それでも、再就職後、悩みに対する解決策が心の中で見出せなかったら、遠慮なく私に連絡して下さい。問題解決に向けて私と一緒に考えることにより、時間はかかるかもしれませんが、必ずやその後の勤務に対する何らかの明るい道筋が見え、自分で解決できる術を身につけることができると思います。遠慮なく電話もしくはメールで連絡ください。一緒に考えましょう。

機関紙「えんご」第137号(令和4年4月1日発刊)掲載


「笑顔と挨拶」でコミュニケーション

認定こども園茨戸メリー幼稚園

紙谷英一

私は昭和59年3月陸上自衛隊に入隊、当初19年間は施設科部隊において通信に係る職務に従事をし、その後退職まで偵察部隊において同じく通信に係る職務に従事しました。最後の3年半は隊付准尉として勤務し、大変有意義な経験をさせていただきました。令和元年5月に定年退官、自衛隊援護協会札幌支部をはじめ札幌地方協力本部札幌地域援護センターの援護担当の方々の再就職援助により、幼稚園の嘱託職員として採用が決まり、退職翌日から勤務をし、現在は4年目を迎えました。

学校法人千歳学園は、現在の北海道千歳市に昭和26年に千歳高等技芸学園として創設され、昭和42年に法人化となり、メリー幼稚園を開園、同じく千歳市に第二メリー幼稚園、そして、私が勤務している茨戸メリー幼稚園は、190万人都市札幌市の北部に位置する東茨戸に平成5年に3つ目の幼稚園として開園されました。前身を含めると70年以上の歴史があります。各園は、令和3年4月1日より「認定こども園(幼稚園型)」に移行しております。茨戸メリー幼稚園周辺には田園風景が広がり、北海道最大の河川石狩川並びに茨戸川が流れ、数多くの動植物が生息している自然豊かな環境の中で教育が行われています。現在の園児数は、約130名で園長以下教職員は23名です。建学の精神「三つ子の魂百まで」のことわざのように、幼児期における幼児教育の重要性を認識し、教育目標・方針を基盤に、園児1人1人に教職員が一体となり取り組んでいます。私は、そのような姿をみると教育への意気込み、熱心さを感じ感銘を受けています。教わる側の園児さんも素直に教えに応えて、自らの意思で行動ができており感動を覚えます。また、行事等で園児さんと一緒になる事があると、笑顔で話を掛けてくれたり、手を振ってくれ、癒しと嬉しさで胸がいっぱいになり、私も自然と笑顔で話をしたり手を振ってしまいます。園児さんの純粋な心に触れ、本当にこの職場にきて良かったと改めて思いました。

教育の特色として部外講師による体操・新体操教室や英語教室、茶道教室に取り組んでおります。年間行事では、春の遠足、いちご狩り、お泊り会、お誕生日会、クリスマス会などがあり、特に時計のない日は、時間に関係なく好きな時にご飯食べ遊び何をやっても良い日で、園児さんに大人気の行事です。

園のセキュリティ対策ですが、万全を期すため、連絡アプリやバスキャッチアプリを利用し、園の状況やお知らせ及びバスの運行状況がわかり保護者の方々も安心してわが子を通園させていただけるシステムになっています。また、日頃から自衛隊の予備自衛官制度への理解、協力をして下さり、毎年年間5日間連続の招集訓練に参加をできる環境にあり、感謝しているところであります。

私は、技術職員及び教育補助員として勤務しております。当園に内定後は、園からの要望もあり付配置期間を利用して大型特殊自動車免許の取得及び家族の勧めもあり自動車学校に通い、大型バスの運転を練習し、就職準備をしました。子供の頃バスの運転手という夢がありましたので、この仕事をして、夢が一つ叶った思いであります。

技術職員として一番大事なことは、元自衛官らしく安全及び防衛運転を重視して、無事故・無違反で幼稚園バスを運転して無事何事もなく園児さんを送迎する事だと思っております。その他に環境整備(草刈り、落葉清掃、除雪、畑の農作業等)及び営繕管理(園舎内外の破損箇所の修理、補修)です。

教育補助員としては、就職二年目から園長先生のご配慮により、大事な郵便物の接受、発送業務や預かり保育に係るパソコン入力・データ管理・提出書類の作成及び伝達・報告業務を任せていただいております。その他、教育場所の準備・撤収作業や幼稚園の先生方からの依頼事項について補助を実施しております。

毎朝登園して最初に行う仕事は、幼稚園敷地内の異常の有無の点検・確認です。警衛勤務、当直勤務者が行う巡察のようなものに当てはまると思います。次に、自分が運転をするバスの運行前の点検及び運転日誌への記入し、呼気点検実施後登園及び降園のためのバスの運行となります。

3年前の入園当初の自分を振り返るとバスの運転以外の時間は何をしてよいか解らず借りてきた猫のようでしたが、職場の先生方や園児さんに積極的に笑顔で挨拶をする事を心掛け、徐々にコミュニケーションも増え、職場の一員として感じるようになりました。挨拶の大切さを改めて実感することになりました。最近は、園児さんからお手紙をいただけることもあり、この職場で働けることに感謝しています。

また、初めて体験する業務も多く(バケットによる除雪、トラクター使用の畑耕し、溶接作業等)先輩方の教え導いていただいたお陰で何とか出来るようになりました。何事にも失敗を恐れずに受け身ではなく自分から積極的に仕事をすることが大切だと思いました。

これから退職、再就職をされる皆様方には不安と期待とが交差する大変な時期だと思います。求人票を絶えず閲覧して情報収集に努めて自分に合った仕事をいち早く見つけて準備をすることが大事だと思います。

新職場においても自衛隊で培った経験・体験が必ず役に立ちます。家族はもとより、自分の健康管理に留意され、無事御退官を迎えられますよう心からご祈念申し上げます。

昭和59年3月
第20普通科連隊入隊 (神町)
昭和59年9月
第11施設大隊    (真駒内)
平成15年3月
第11偵察隊     (真駒内)
令和 元年5月
定年退官(准陸尉)

機関紙「えんご」第138号(令和4年7月1日発刊)掲載

株式会社共立メンテナンス

深沢 幸男

私は、昭和53年3月入隊以来、約35年間陸上自衛隊に勤務し、主に野戦特科部隊(第1特科連隊・第1特科隊)に携わって参りました。選考3尉任官後平成25年9月に陸上自衛隊を定年退官し、現在は学生寮の寮長・寮母として妻と共に住み込みで勤務しています。早いもので8年という月日が流れました。この間、若い世代の心の支えになれるよう、妻と切磋琢磨し努めてきましたが、私の経験が今後再就職を目指す皆様へ少しでも参考にして頂ければ幸いです。

私が勤務している会社は、「株式会社共立メンテナンス」です。近年、箱根駅伝でもスポンサーを務める学生寮・シニアライフ事業・ビジネスホテル・リゾートホテル事業等幅広く展開している会社です。現在私は、東京都港区にある94名の女子寮で勤務していますが、そもそも何故再就職にこの業界を選んだかというと、実は長女が進学の為都内の物件を妻と探していた際、見学した学生寮に住み込みで働くご夫婦の存在を知り、興味を持った妻が仕事の内容などを詳しく聞かせて頂き、当時現職で定年まで数年残っていた私に寮での仕事の魅力を切々と語り掛け、意気投合した私たちは定年を機に入社したという経緯です。入社に際し有効な資格(妻は調理師、私は防災・防火管理者)を事前に取得しやる気満々でした。また、当時小学5年の末娘も寮に同居可能で、家賃・光熱費無料である為、生活面で浪費しなければ貯金も望めます。当時は3人の娘に収入を費やし、思うように貯蓄する事は出来ませんでしたが、退職金の切り崩しは殆どありませんでしたので、貯蓄確保の面では有難かったと思いました。入社後直ぐに本社と地区長(地域ブロックの長)寮で実践に伴う研修を受けさせて頂き、その後首都圏内の女子寮に赴任致しました。私(寮長)の仕事は管理がメインで、パソコン等での報告業務・施設管理・修繕・購入依頼・入退寮時の手続き・直接寮生様からの依頼や苦情等への対応・外来のお客様対応など自衛隊における中隊の先任業務に似ている所もあります。妻(寮母)は調理がメインで、食材の発注業務や毎朝夕の大量調理で寮生さんに食事提供するなど、寮生様の日々の暮らしを支える様々な業務を行います。また、寮施設内は運営方法の改定に伴い「ICキー入退館システム」や「防犯カメラ」などセキュリティシステムの活用を徹底し、更に会社専用アプリ「DOMICO」の導入により、昨今問題視されているフードロスの削減や、ペーパーレス化も推進され、食事の提供(事前にスマホでの申し込み・喫食時のチェックインで正確な食数の把握)から荷物の受け渡し、各種案内や情報交換にも役立てながら、環境保全にも努めています。

寮長・寮母の業務運営上での大切なことは、寮生様一人ひとりに対する「心配り」寮生様のことを思いやり、日々の一つ一つの業務に心を込めて丁寧に取り組むこと、それが寮生の皆様とのより良い関係づくりへ繋がると感じています。

そもそも学生寮と言っても多種多様の寮があり、大学専用寮・男子学生寮・女子学生寮・男女混合寮・留学生専用寮、その他企業寮など首都圏だけで180近い寮が所在し、殆どがそれぞれ寮長・寮母により管理運営されています。私も8年間で3ヵ所の女子寮で多くの経験をさせて頂きました。留学生との混合寮、中国人留学生専用寮、学生・社会人・留学生の混合寮など多くの方々と接することで人とのコミュニケーションを改めて勉強させて頂きました。赴任した寮の中に、中国からの女子留学生62名を受け入れる寮があり、全員が初来日で生活習慣も全く異なる為、私たちも困惑することが多々ありました。言葉の上でも、大学から日本への留学許可基準「N2検定(日本語能力試験2級)」以上にも拘らず、中には殆ど会話が成立しない方もおられ、私自身もNHK「中国語講座」を試しましたが挨拶を交わす程度で、なかなか日常会話まで辿り着くことは出来ませんでした。但し、「We Chat(ウィチャット)」中国の言語アプリを活用することで、寮生全員とやや意味不明な翻訳ではありましたが、何とかコミュニケーション取ることが出来ました。普段の生活に於いても、ある寮生様は明朗活発で周りの反応は気にせず、下着を付けずにバスタオル1枚で居室からシャワールームに向かわれ、慌てて私に行動を止められたり、ネグリジェにガウンを纏い近くのスーパーに買い物に行ってしまう方、退寮時には感激の余りいきなり抱擁をされるなど様々で、異国の国民性を感じました。逆に日本の学生様は感情を表に出すことが少なく心情把握に苦慮することもありましたが、今思えば基本的に穏やかな方が多かったように感じます。寮生活では常に寮長・寮母に寄り添う協力的な方、そうでない方、寮則を厳守され日々真面目に過ごされる方・自由奔放に行動される方等様々ですが、一つ屋根の下で共同生活をするため、寮則を著しく守らない方や無断外泊される方には行動を慎んで頂くよう指導しています。又、寮内ではいろんなイベントも沢山行われ、入寮時の歓迎会・消防訓練・防犯教育・バーベキュー・クリスマス会・年末の鍋会・大学のサークルにお願いして本格的な茶道教室など、寮生様の思い出作りにもお手伝いさせて頂きました。勿論、多少の事件・事故や急病患者の救急搬送など緊張する場面もありましたが、それぞれの寮生様・親御様から頂く感謝のお言葉やお手紙・プレゼント等頂く度に、やりがいを感じることがありました。思い返して見ると多くの寮生の皆様をお世話する中で、携わった経験での充実感・達成感は、私の人生に大きくプラスになったと思います。

これから定年退官を迎えられる皆様、永年に亘る勤務お疲れさまでした。精神的なストレスもあったかと思います。少し肩の力を抜いて下さい。今後は再就職に向け情報収集されると思います。先ずは自分自身に何ができるか、何が向いているかを慎重に検討され、第二の人生を謳歌して頂きたいと思います。人生100年時代と言われる昨今です、慌てず急がずマイペースで後ろは振り返らず、喜びと感動を目標にお過ごしください。

昭和53年9月
第1特科連隊新教入隊(駒門)
昭和53年9月
第1特科連隊    (駒門)
平成14年3月
第1特科隊 部隊改編(北富士)
平成25年9月
定年退官  3等陸尉(北富士)

機関紙「えんご」第137号(令和4年4月1日発刊)掲載


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